こんにちは。小説の創られかた講座、今日は第2回〜一人称VS三人称〜。英語でもよく出てくる単語ですね。小説ではどういうものなのでしょう? また例と見比べながら、勉強していきましょう。
●『人称』とは?
手元に辞書によると、『文の中で、話し手、話し相手、第三者など人を指す代名詞を文法的事柄として区別したもの』だそうです。でも、そんな難しく考えることはありません。簡単に言ってしまうと、小説において『誰が物語を語っているのか』ということを示す用語です。
一人称と三人称、自分のスタイルにあったものを選びましょう。初心者は一人称の方が書きやすいです。
●一人称
主人公本人の視点から物語が語られている小説を一人称小説といいます。もっと簡単にいうと、『僕』『わたし』『オレ』などが、セリフ以外の文章(『地の文』という)でよく使われているような小説のことです。
例)我輩は猫である。名前はまだない。
我輩は断じて煮干し以外のものを食べるつもりはない。
ふっふっふ、あの間抜けな人間も困っているだろうな。
“メリット”
主人公の気持ちが表現しやすく、感情移入させやすい。
“デメリット”
主人公自身の描写や主人公の知らないこと、主人公の目に届かないところの描写が書きにくい。
●三人称
キャラクターとして小説の中には登場しない存在、『第三者』の視点から客観的に語られている小説を三人称小説といいます。『彼』『彼女』『(人物名)』などがよく使われています。いろいろ調べてみると、あまり素人には向かない書きかたみたいです(第三者の立場がコロコロ変わって、読みにくくなるおそれがあるから)。
例)彼は猫である。飼い主からタマと呼ばれている。
タマは煮干ししか食べないので、実際のところ飼い主は経済的に助かっていた。
しかし、そのことをタマは知らない。
“メリット”
主人公がいない場面など、あらゆる場面を書くことができる。
よって、ストーリーの構成も組みやすい。
“デメリット”
1.登場人物の視点をまぎれこませてはいけない。心の中の描写も客観的に書かなくてはならない。
2.第三者だからって、あまり視点をあっちこっちへ移動させると、読者が混乱する。
●演習
1.次の文章は、一人称としては不適切な描写がある。指摘しなさい。
僕は三年生の夏休み、秘密の横穴にダンボールや木の板などをあてがって、立派な秘密基地を半日かけて築いた。
ところがある日、その秘密基地で僕が昼寝をしていると、どこからか話し声が聞こえる。懐中電灯を装備して探ってみると、なんと横穴の奥には隠し扉があったのだ。中に入ると、可愛い容貌をした小人たちが車座になって笑っている。
すごい、大発見だ、早く誰かに知らせないと。そう思って駆け出すと、いつまでも笑っていた小人たちもようやく僕の存在に気づく。彼らはその愛らしい笑顔とは裏腹に、心の底では怒り狂っていて、僕のことを殺そうと思っている。そして逃げる僕へ次々と襲いかかる小人たち。絶体絶命。
しかしそのとき、空から巨大なロボットが降ってきて、小人たちはみんなぺしゃんこになってしまう。砂煙が引くと、秘密基地どころか周囲一キロが更地になっていた。
「君は選ばれたのだ」
ロボットは僕に言った。
胸元のハッチが開いて、そこから梯子がするすると降りてくる。僕は颯爽とロボットに乗り込んだ。そして僕は、まだ生き残っていた小人をレーザー砲つきダイナマイトで木っ端微塵にした。
(『日記』より)
※ この講座に書いてあることが『人称』のすべてではないし、もしかしたら説明が間違っている部分もあるかもしれません。
次回の講座は、『第3回 小説の創られかた講座』〜「セリフって何?」〜
小説を大きくパーツに分けると、『セリフ』と『地の文』のふたつから構成されていることがわかります。この2つの使い方を第3回と第4回でマスターしましょう!
質問がある人は、文芸サークルのサークル員に聞いてみてください。
では! 次の講座でまた会いましょう!
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