名古屋大学教育学部附属中・高等学校
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教育方針

校長あいさつ

   2007年4月3日
                          植田健男

 名古屋大学教育学部附属中学・高等学校長の植田健男です。大学院教育発達科学研究科(教育学部人間発達学科)で、教育経営学の教育・研究にあたっています。

 本校は、岡崎高等師範学校の附属中学校(旧制)として1947(昭和22)年に設置されて以来、六十一年目を迎える伝統ある学校ですが、五年前に併設型の中高一貫校に移行して現在に至っています。創設以来、このサイトでも紹介されているような数々の特色ある教育実践に取り組み、全国的な注目を浴びてきました。しかし、「特色ある」とは言っても、それらは、決して、その時々の時流にそのまま乗っかったり、奇を衒うようなものではなく、あくまでも中等教育が持つ本来的な意義をしっかりと踏まえたものであり、この中部圏にあって「真っ当な中等教育」を提供する、いわば「当たり前の学校」であることを最大限の特色として、独自の存在意義を今日まで示し続けてこられたことは、私たちの大きな誇りです。

 もちろん名古屋大学は教員養成大学ではありませんし、教育学部も教員養成を目的とする学部ではありませんが、戦後、新制名古屋大学が岡崎高等師範を母体の一つとして発足したことから、当初から附属学校を持つことになったのです。今日、学問研究の府たる名古屋大学という高等教育機関に、敢えて、このような附属中学・高等学校という中等教育機関が存在することによって、本来の意味での高等教育と中等教育との密接な連携関係のもとに、相互の教育研究に貢献し合えるような新たな発展段階を迎えようとしています。

 本校の目玉の一つである「総合人間科」をはじめとして様々な場において、名古屋大学の先生方の全面的な協力を得ながら、大学における学問研究を本校の教育と学びに吸収させる努力をしてきました。そのことによって本校の生徒たちの感性は大いに刺激され、学問への好奇心が導き出されることによって、生徒たちの学びは、これまでにもまして、一層、探求的なものとなりました。それらが教科の学習へと発展させられることによって、さらに「総合人間科」の発展を促す、という循環的な学習環境や教育活動が創り出されてきています。
 教師たちも、また、こうした教育活動に関わるなかで、そこに居合わせる生徒たちに「先生は、わたしたちと共に真理を探究してくれる仲間である」ということを感じとらせるような学習・生活空間を創り出し、それと同時に、各教科において発見と驚きのある刺激的な授業実践を展開してきています。
 また、こうした中等教育機関における生徒たちの学びの現状や課題、問題解決の方法を分析することによって、はじめて、現下の問題となっている高等教育機関における教養教育や専門教育の課題や方法も、明確な根拠にもとづいて科学的・体系的に明らかにすることが可能になろうとしています。大学生の「低学力」を声高々に叫び、現象面にとらわれて皮相的な対処法を繰り出すだけでは、ますます学生たちの「学問からの逃避」を煽るだけです。

 本校へ通っている全ての生徒が、実感を持って「やっぱり名大附属へ来てよかった」と言えるような教育実践を、生徒たちの主体的な参加を導き出しながら創り出し、生徒たちが安心して通える学校、そして、何よりも保護者からの信頼にしっかり応えられる学校をつくりあげていくことに、今後とも、なお一層尽力したいと思います。

 
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