SSH生徒研究員制度の相対論・宇宙論プロジェクトに所属する生徒が、2026年9月8日(火)に岡山理科大学で開催された日本天文学会2026年秋季年会の星形成セッションで、口頭講演を行いました。この研究成果を論文にまとめ、生徒が筆頭著者となって、論文公開サイト arXiv(アーカイブ)にプレプリント(査読前の論文原稿)として公開しました。
【論文情報】
題目:Stellar Kinematics and Molecular Gas toward NGC 6357: An Overlooked Earlier Stellar Generation
URL:https://arxiv.org/abs/2610.41921
【研究内容の概要】
NGC 6357 は、さそり座の方向、地球から約5500光年の距離にあり、現在も活発に星が生まれている領域です。この領域で、これまで詳しく調べられてこなかった星団 G352.8+0.6 を再発見しました。手がかりとなったのは、2種類のデータを組み合わせた独自の解析です。1つはヨーロッパ宇宙機関(ESA)の位置天文衛星ガイア(Gaia)による恒星の位置・運動のデータ、もう1つは電波観測による分子ガス(星の材料となる低温のガス)のデータです。
この星団は年齢が約790万年で、NGC 6357 の中ですでに知られていた3つの若い星団(約100万〜300万年)よりも古く、それらに先行する世代の星団であることがわかりました。さらに、この星団の運動と周囲の分子ガスを解析しました。その結果、過去に分子雲(分子ガスが集まった巨大な雲)どうしの衝突が起こり、それによって NGC 6357 に見られる空洞状の構造と既知の3つの星団が形成された可能性を示しました。